君想ふ~第一章「俺」2~
mami
mami~大学生のメモ~
俺は真由美のことを大事にしてきたつもりである。
あの時出会ってから、そして付き合い、結婚してから、
俺は真由美のために、心血注いで働いてきたんだ。
今度理由でも聞いてみるか。
そういえば俺は真由美に働くことを拒んだとき、
ただ喧嘩になってなにも理由を聞いていなかったではないか。
理由を聞いてみよう。
と、当時の俺は思ったのにも関わらず、聞かなかった。
そう思って真由美が帰ってきた後の日も、その次の日も、
結局聞かなかった。聞けなかったのだ。
だがある時、真由美は俺に、ぽろっと一言、こう呟いたのである。
「私がいなくなったら、あなた何もできないでしょ。」、と。